収蔵品によるこまの歴史

〜ベーゴマの歴史〜

その1 江戸時代〜戦時中のべーごま
その2 戦後のべーごま・変わりべーごま
その3 新しいべーごま
その4 ベーブレードと類似品、模造品


その2 戦後のべーごま・変わりべーごま

戦後の日本の復興は本当に早かったのだと思います。
おっちゃんが小学2年の頃(昭和25年頃・兵庫県)にはバイで遊んだ記憶があります。
文献等で、関西にはなかったと書いている人もいますが、間違いです、すごいブームでした。
歴史的には関西が最初で、関東は人気がなかったのですが、さくらベイが出現して関東が大流行しました。
最近は昔ながらの型を作らず、手軽にオリジナルベイが製作できるので、
心無い骨董やさんにだまされないように注意してください。おっちゃんは見分けがつきます。

3枚の写真の昔ベイ(日本ベイゴマ協会がこの名称を使っているので使わせてもらいます)は
(写真11、花バイ・桜・梅・アサガオなど)(写真12、野球バイ)(写真13、星バイ・じゃんけんバイ・カタカナバイなど)
戦前か戦後すぐなのか記憶がありませんが、材質や模様から、おそらく戦前、
それもまだ物資が不足する以前のものと思われます。
野球バイの、バットやボールの模様の横の英字は東京六大学です。遊んだ記憶のある人がいれば教えてください。

写真11 写真12 写真13

テレビが一般の家庭に普及するまで、子供達にとってのヒーローはスポーツ選手や映画の主人公でした。
野球の選手や球団名(写真14、昭和20〜30年代)です。
また、月光仮面が出てきました。

写真14

 

大阪バイ

他のHPではあまり紹介されていないので、関西のバイを紹介します。

バイの最初は、空バイといって、真中が詰まっていなかったのです。
関西圏も、比較的単価の安い、空バイ(写真15左)やへそバイ(写真16、右は関東でおちょこベイとも呼ばれていました)と呼ばれるバイが、新型が出現しても、長く売られていました。そこに桜バイ(写真17)が出現し、余分なところを削り取ると、強く他のコマをはじき飛ばすので、迫力があり、関東に飛び火し、爆発的なブームになりました。
ちなみに、写真15の右側はずっしりとした少し大きめの徳島バイです。

写真15

写真16

写真17


その後、関西ではいろんな形のバイが考案されました。
丸巴・六角巴、大阪バイ(写真18)、
角がついたいかにも強そうな十字バイ(写真19右)、何の頭文字かわかりませんが、Kバイ・Mバイ(写真19左)。
英字バイ(写真20)と呼ばれて売られていたバイは、あるはずのCJLMQRSTUVWXZがありません。
それとも、もう少し少なくて、ローマ字のイニシャルなのか…。誰か知ってたら教えて〜。

写真18

写真19

写真20


確実に火花の散る六角球団バイ(写真21)というのも出てきました。迫力があるので大人気でした。
さすがに関西バイで全国区の巨人以外は、阪急・南海・阪神・松竹と関西球団ですね。
また、製造段階での粗悪ベイ(写真22)も出てきて、
手間をかけて型を作るより、他のメーカーの製品を何らかの方法で写し出して製作しているものもありました。
材質も悪く、模様がはっきり浮き出ていません。
写真の下は明らかにペチャ王のコピーです。
でも、この技術が現在、どんな模様にも対応できるオリジナルベイが出来るヒントになっているのは皮肉なことですよね。

写真21

写真22


日三鋳造製のベーゴマ

他のHPに紹介されているので、写真等はそちらで見てね。
当館にはほとんどの製品が収蔵されているので、現在発売されていないものも含めて、後日、リストを紹介します。

 

変わりベーゴマ

世の中には必ず、変わったコマを作りたくなる人がいます。

超ジャンボベイ(写真23)は平成7年、
NHKが日三鋳造を訪問した際に、当時のアナウンサーの顔をいれて特別に作ったもので、回すのに苦労していました。
直径15.5センチ、重さは5キロあります。
手前にあるのは普通のベーゴマです。比較してみてください。

おっぱいベイ(写真24)も日三鋳造製で、おっぱいの形をしています。左下はジャンボベイ。
外国のも見つけました。インドのベイゴマ(写真25)です。
従来からあったのかどうか調べていませんが、
おそらく日本に来た留学生か誰かが、日本のベイゴマをヒントにして作ったと思います。
たくさんの種類があったのですが、みんなに分けてしまってこれだけしか残っていません。


写真23

写真24

写真25


いつの時代にも、兄貴分がやっているのを見て、やってみたくなる幼い子がいるものです。
そんな子どものために考えたのが、支え棒付きのこのこま(写真26)です。
同じ発想で、普通の独楽のように回せるこのために考案された超合金芯付バイ(写真27、アイドル社)や、
新しいベイゴマの項に出てくるスーパーベイゴマです。
これが現在の、各種の簡単に回せるコマやベイブレードに発展していくのです。

写真26

写真27


つづく(その3 新しいベーゴマへ)


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