コロンビア紀行たけちゃんレポート

コロンビアの報告をします。1日目から書いていたらすごく長い文章になってしまったので、短くして報告します。

 最初は、やっぱりコロンビア独楽の研究報告ですね。とにかくすごかった!何がすごかったか詳しく書きます。
 まず独楽の大きさ・重さ。これが日本の「投げ独楽(以下略して独楽)」と決定的に違いました。コロンビアの子どもが遊んでいる独楽は、小さくて日本の子ども達とほとんど変わらない大きさ・重さでした。しかし路上昔遊び大会の参加者で中学生以上の子達が使う独楽は高さ約20cm・重さ1kg以上あるほんとに大きなもので、ひもも細く長さ3mくらいありました。回転力をたくさんつけて連続で技をする為に、大きさや重さ、ひもなどを工夫していった結果、このように発展していったのだと思われます。
 なぜそんなに回転力が必要なのか?日本の投げ独楽では、一回投げて独楽を回したら、だいたい一つ技をして終わり。でもコロンビアの独楽は違います。大会の影響だと思うのですが、誰が1位かを決める審判(ジャッジ)の審査内容が、1回独楽をまわして、何回連続で技をできるかというのが審査基準の1つにあります。もちろん技自体の点数もあるし、他にも失敗は減点とかいろんな要素があるのですが、どうやら何回連続で技をするかというのがかなり重要なようです。たぶん誰が一番長くまわるか?みたいな寿命比べの要素も取り入れているのだろうと思います。寿命比べなら確かに誰が一番かわかりやすい。この審査方法がコロンビアの独楽をここまで大きくしたのではないだろうか?と少し考えた、あくまでも推測ですが。それはともかくあの質量の物体を、高く投げ上げたり、いろんな技をしたりと、見ている人はそれでけで釘付けにされてしまう。投げる時も体全体を大きく使って投げなければ、ひもが引き抜けない。かなり練習していると思います。腱鞘炎とかならないのかな・・・。僕は3・4回投げただけで腕が悲鳴を上げていました。
 実は、路上昔遊び大会はカルダス市という場所で行われているのですが、この市内で独楽を作る職人がいます。その人に参加する選手は独楽を作ってもらっているみたいです。その職人さん(写真上)が中心になってこままわしクラブ(?)のようなチームを作って技を教えているということです。わざわざ他の町から来ている子もいます。コロンビアで一番大きな町ボコタ(首都)で行われる独楽大会もカルダス市の子達が優勝しているそうです。そのぐらいカルダス市周辺の子は上手いそうです。

 ここまででは、日本からわざわざ行った意味がありませんね。こままわしを教えに行ったはずなのに教えてもらって帰ってきただけになってしまいますので、日本の独楽のフォローもします。最初にコロンビアの子は日本の子ども達が使っているこまとほとんど同じ大きさのこまを使っていると書きました。大きさがほとんど一緒なら、どちらの独楽が長くまわるでしょうか?結果は日本の独楽の方が長くまわると思います。秘密は形にあります。コロンビアの独楽と日本の独楽の形は日本独楽博物館に見に来てね。もっと詳しく知りたい人はこまのおっちゃんに聞いてね。同じ大きさなら日本の独楽の方が長くまわるのであれば、当然日本の独楽の方が技がやりやすいという事になります。じゃあ日本の方が 手のせ(手の上で独楽をまわす技)が出来る子が多いはず!日本が勝った〜・・・と思ったけど、コロンビアの小さくて難しい独楽で4歳の男の子達が手のせを見せてくれました。・・・すげぇ・・・引き分けという事にしておこう。
 子どもはともかく、コロンビアの中学生以上の子達は大きい独楽をぶんぶんまわして、いろんな技をしています。中学生以上の日本人は完全に負けてますね。かなりショックを受けました。日本にも良い物(独楽の形)が残っているのに、現在では発展しないまま忘れさられようとしています。今のおじいちゃん達が子どもの頃は、道端でみんな独楽をまわし、心棒の先を削って尖らせ、缶のふたや絵の具のふたで独楽を受けたりして、みんなで腕を競い合ったといいます。独楽の種類もたくさんあり、近所の鉄工所や木工所に行けば、独楽を作ってくれたといいます。
 コロンビアでは、市長や教育委員長、カルダスの大人たちが一丸となって、独楽をまわせる環境を作っています。独楽大会をカルダスで開催するために、「25年程前に腕のいい独楽職人をカルダスに連れて来た」とゴメス氏は語っています。日本が負けているのは技ではなく、大人たちの熱い気持ちなのではないだろうか?
今大会でも、エルネイ(写真下・真ん中の子)という青年は新しい技を考え、競技で成功させ見事優勝を果たしました。審判達はその技に点数をつけていました。コロンビアでは今後もこのような熱い独楽大会を続けていくと思います。
 コロンビアに負けないように、日本の投げ独楽を発展させなければいけない!いつかはコロンビアの投げ独楽チャンピオンを日本によんでギャフンと言わせてやろうと思います。
 長い文章でしたが最後まで読んでくれた方お疲れ様でした。乱文申し訳ありません。報告ではなく率直な感想になってしまいました。読んでくれた方、掲示板などで感想を書き込んでくださいね。たくさん反響があれば、コロンビア紀行の更新が早くなるかも知れ ませんwたけちゃんより(6/22)





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